一昨日、お花を活けていましたら、南くんが、「女将さん、昭和10年ごろのお話知っていますか?」と聞きにきました。どうやらご来館の方が、そのころのことが懐かしく中屋という名前を頼りにいらしたとのことでした。ご挨拶申し上げると今年90歳を迎えられるお父様と御嬢様が「昭和10年頃、小学校の海浜学校で、4泊泊まった旅館に、もう一度行きたくて。でもこの場所ではないし。とにかく伺ってみよう」とのことで、宿 中屋にお越しになられたようです。
確かに、この場所でございませんでした。天津駅の近くで、代々旅館を営んでおりまして、昭和10年ですと、先々代の女将(祖母にあたります)の時代でございます。宿の前は漁港で、早朝ポンポンという漁船の音で目が覚めたとか、海には、海水プールがあったことも覚えていらっしゃいました。とても懐かしくなりいらしてくださったようです。本当に嬉しいことでございます。
ときどき、昔を懐かしんでというお客様がいらっしゃいます。修学旅行でいったあの宿に泊まりたいとのことで、何10年ぶりの修学旅行(?)を企画してくださり、お越しくださった方も何組かいらっしゃいました。長く旅館を営ませていただいている旅館冥利に尽きると感謝いたしております。
古い写真をお見せしたら、とても懐かしく喜んでいただきました。突然のご訪問で、十分なこともできませんでしたが、是非、次回は、海水プールの写真、東京の小学校から寄贈された海浜学校写真集など、ご覧いただきたく存じております。お名前もお聴きしませんでしたが、是非、再度のご訪問を、心からお待ち申しております。
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